朝ハロしよ!プロジェクト
カルビー(株)×NPO法人日本トイレ研究所朝ハロしよ!プロジェクトとは
「朝ハロしよ!プロジェクト」は、医師・栄養士のサポートを得て「子どものたのしい朝づくり」の体験学習を通じて、朝ごはんの重要性を共有し、子どもの欠食をなくすと同時に生活習慣の改善を目指す取り組みです。
2016年から始まった本プロジェクトでは、「早起き」や「朝ごはん」が大切であることを理解した上で、フルグラ®を使用した簡単な朝食づくりを体験。「食べること」と「排泄すること」両方の目線を取り入れた授業を行い、子どもたちに「たのしい朝づくり」を意識づけるとともに、自宅での保護者の意識改革を促すことを目的に「朝ハロ・4コマ漫画」の作成にも取り組んでもらいます。小学校の家庭科の時間を利用し、いい朝をつくるために大切なことを子ども達に伝えています。
商品への反応をダイレクトに受け取る機会はそうそうない
—カルビーと日本トイレ研究所の出会いを教えてください。
カルビー株式会社 東日本事業本部 マーケティング担当部長 松本知之さん(以下 松本): 実はわたし、最初から日本トイレ研究所を知っていたわけではなく、一緒に働いているメンバーがトイレ研究所の加藤さんと知り合いだったんです。地域とのコミュニケーションとして何かできないかをそのメンバーと一緒に探していたのがきっかけですね。世の中的には広告よりもPRという流れもありますし、マス広告だけでなく地域に根付いた取り組みがしたいと考えていました。
NPO法人日本トイレ研究所 代表理事 加藤篤(以下 加藤): 食の会社であるカルビーさんと一緒に活動できたとしたら、社会的なインパクトはとても大きいと感じていましたので、勝手に期待を膨らませていました(笑)
—「朝ハロしよ!教室」の講師として実際に現場に行くのは、現地の営業の方ですか?
松本: この活動は2016年から始まり、はじめに話があがってから1校目の実施まで半年間でした。とても早いですよね(笑)初年度は「まずやってみようフェーズ」として、マーケティングのスタッフとトイレ研究所のみなさんで小学校に行っていましたが、今年から、営業担当が授業を行うことを進めています。
営業担当がこの活動をとおして、通常の営業活動とは別の切り口で地域と直接触れ合うことで、改めて自分の会社がつくっている商品っていいなと見つめなおす機会にもなると考えています。それぞれ現場にいる人たちが自分で体感しないと、売る動機やマーケティングする動機の芯が抜けちゃう気がするんです。お客さんに支えられているということを実感できる場にもなればいいですね。
—授業を行なった小学校からの反応はいかがですか?
加藤: この活動には、「子どもたちと一緒に楽しい朝をつくろう!」というメッセージを込めているので、授業では知識の提供だけでなく、朝を好きになってもらえるように工夫しています。
先日、授業を実施した宇都宮の小学校の先生から「食べることと排泄の話を両方してもらえることはとてもありがたい」という言葉をいただきました。学校で食育は行うものの、排泄のことまではなかなか出来ないようです。
フルグラ®って50gのなかにバナナ4本分もの食物繊維が入っていて、すっきりうんちにつながるアイテムでもある。朝、よく噛んでしっかり食べれば腸がうごいて便意も起こりやすいので、朝というシーンで食べることと排泄することの大切さをしっかりと伝えていきたいと改めて思いました。
松本: このプロジェクトは小学生高学年を対象にしていて、もともと「家庭科の授業でやりたい」ということにすごくこだわっていたんです。これは、自分が小学校の家庭科でつくった料理のことを鮮明に覚えている、ということも影響していると思います。家庭科でやることは、とてもハードルが高いと感じていたんですけど、今のところほとんどの学校で快諾いただいています。5大栄養素については復習にもなりますし、先生方からは良い評価をいただいています。家に帰ってからの家庭内コミュニケーションにもなっているようです。
加藤: 小学校が求めている「睡眠や排泄も含め、生活習慣の大切さを伝えたい」「栄養バランスのいい朝食をとってほしい」という課題とマッチしたんですよね。子どもたちには、授業で学んだことを踏まえ、家庭で朝づくりを実践してもらい、その結果をワークシートに記入して提出してもらっています。子どもが自分の力で家族のために朝食をつくることは、家族みんなで話をしながら食べることの楽しさや大切さに気付くきっかけになっていると感じています。
商品にストーリーがないと、面白くない
—家庭や学校に「朝ハロしよ!プロジェクト」が伝えたこともたくさんある中で、逆にカルビーさんが得たものは?
松本: プロジェクト自体はまだ道半ばなので、もっと体験者を増やして、地道な活動を積み重ねるべきとは思いますが、お客さんと直に触れて、商品がどのようにお客さんの役に立っているのかを実感できるのは大きいですね。
あと、最初に実施した足立区立平野小学校で、8割の子どもたちがグラノーラのトッピングとして、チョコレートチップとバナナチップを選びました。この日はフルグラ®の商品担当の責任者が参加していたんですが、子ども向け商品を開発していたところでしたので、この結果に後押しされて「フルグラ® チョコクランチ&バナナ」が生まれました。
後日、小学校に報告に行った際、校長先生が「みんなの声ひとつが、社会を変えることもあるんだ」と子どもたちに話されていました。子どもからするとインパクトがあることでしょうし、僕たちもすごく嬉しいことでした。
加藤: こういうことって、意図しても作れるものではないですからね。
松本: ストーリーがないと面白くないじゃないですか。わたしたちはこれがいかにいい商品か、どうしたら買っていただけるかの戦略を立てる部署なので、ストーリーを話せることはとても重要で、それが会社全体として共有できるとすごい強みになると思います。ちょっと壮大になっちゃいますが(笑)
加藤: 「朝ハロしよ!プロジェクト」は、子どもたちと一緒に朝をつくる取り組みですが、そのためには、知識やモチベーション、そして手軽に安心できる朝食をつくるための素材が必要です。小学校、家庭、企業、地域が力を合わせて子どもたちの朝を応援するストーリーをつむいでいきたいですね。
—最後に、この「朝ハロしよ!プロジェクト」にかける想いをお聞かせください。
松本: プロジェクトに参加する社内の人間がどんどん増えていって、この活動そのものを体験できる人数が増えていくといいなと思っています。授業の内容もブラッシュアップしつつ、カルビーの中で社会と会社をつなぐ大きなストーリーとして定着することが、今一番期待していることです。初期にいた人がいなくなったら終わる、ではつまらないので、伝承していけるといいですね。
加藤: 2つあります。ひとつは学校をとびだして、地域をあげての取組みになっていくことも期待したいです。兆しはちょっと見えてきている気がするんですけど、地域が「朝ハロしよ!プロジェクト」を応援するようになったら素敵だなと。もうひとつ、各家庭で子どもたちがつくる朝を、子どもたち同士で共有し、楽しめるようになったらいいなと考えています。「朝ハロしよ!プロジェクト」をたくさんの素敵な朝が集まるプラットフォームにできたら素晴らしいですね。