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高知市【高知県】
本市では南海トラフ地震など大規模災害に備え,助かった命をつなぐ対策の一つとして避難所等の災害時のトイレ確保の取組を進めています。その一つとして,関係部局が連携して,トイレ確保に向けた方針を策定する予定です。
高知県が平成24年12月に公表した,「高知県版第2弾南海トラフ地震による震度分布・津波浸水予測」での本市の被害想定は以下のとおりになっています。
また,本市においては地盤沈降と津波による長期浸水が想定されています。下水処理施設のほとんどが長期浸水エリアにあるため,長期浸水が起こるとそれらの施設に支障をきたし,下水処理区域では通常のトイレ使用が制限されます。さらに,下水処理施設の復旧までに1~2ヶ月程度かかると想定されています。
本市では,高知市災害廃棄物処理計画(Ver.1)に基づき,平成27年度から市内の指定避難所へ携帯トイレ等の備蓄を進めています。平成31年度末までには,L1地震発生1日後の避難所避難者数(77,000人)の発災から3日間分の必要数が確保できる見込みです。
発災後4日目以降は仮設トイレ等で対応することとし,仮設トイレ等の優先供給協定の締結を進めており,平成29年度末現在で高知県内外のレンタル会社4社と締結しています。しかし,発災時の協定先の在庫状況や道路啓開状況,運搬車両の確保の状況によっては,各避難所に十分な数量の仮設トイレを供給できるとは限らないといった課題があります。
◇庁内組織の結成
平成29年度は,災害時のトイレ確保を全庁的な課題と捉え,環境部局を中心に,防災対策部局,上下水道局,教育委員会等の職員で構成する「高知市災害時トイレ対策検討プロジェクトチーム」を発足させました。
◇地域・施設の実状に応じたトイレ対策
長期浸水の有無,施設の排水処理の状況(下水道,浄化槽)等,災害用トイレの整備にあたっては地域や施設の実状に応じた対策を講じることとしています。
具体的には,下水道の面的整備が急ピッチで進む中,下水道への切替え時には,不要となる浄化槽を災害用便槽として活用する等の検討を進めています。
◇高知市災害時におけるトイレの確保に関する方針
前述のプロジェクトチームでの検討を踏まえ,トイレの確保に当たっては費用対効果を見定めつつ,設置する場所や被災の状況,利用者数,時間の経過(フェーズ)に応じた最適な方式を選択する必要があります。発災後の速やかな対応が図られるよう,高知市災害時におけるトイレの確保に関する方針を策定する予定です。