HOME > 自治体のトイレ対策例 > し尿処理対策+トイレ対策の視点
平塚市【神奈川県】
本市のし尿処理は、平塚・大磯・二宮ブロックごみ処理広域化実施計画に基づき、大磯町し尿処理施設(以下「処理施設」という。)で行っています。神奈川県地震被害想定調査報告書(平成28年3月)によると、「都心南部直下地震」が発災した場合の本市における避難者は約1万人と予測されており、1日あたりのし尿発生量は約16,500L/日(平時の約5倍)、災害用トイレは約200基が必要になるとの試算があります。また、処理施設の損壊や道路上の障害、し尿汲取り業者の被災等、平時とは異なる次元の対応が求められることが想定されます。そこで、本市では、環境省関東地方環境事務所の「平成29年度関東地域ブロックにおける災害廃棄物処理計画作成モデル事業(以下「モデル事業」という。)」の採択を受け、災害時のトイレ対策に関して検討をしています。
災害用トイレの配備計画の整理のほか、時間軸に沿ったトイレ対策を構築するために、時系列をもとにした対応事項や直面する課題・対応策を整理しています。また、庁内(災害部局、土木部局、環境部局、教育委員会)及び庁外(大磯町・二宮町)を対象とした意見交換会を開催することで、その議論を検討内容に反映させています。
時間軸に沿って柔軟かつ快適に使用することができるトイレ環境の整備を目指して、携帯トイレや仮設トイレ等、種類の異なる災害用トイレを備蓄しています。備蓄分の災害用トイレの活用から平塚・大磯・二宮ブロックを超える広域処理(支援要請)の流れなどを時系列に整理しています。
モデル事業の検討を踏まえ、本市の災害廃棄物処理詳細マニュアル(トイレ対策編)の改訂を行う予定です。マニュアルは「災害用トイレの確保・設置・維持管理」「し尿処理(収集・処分)の手段の確保」「衛生管理の確保」から構成されます。今後は、マニュアルの精査と併せ、避難所ごとに作成している避難所運営マニュアルとの整合を図る予定です。避難所のトイレ環境を快適なものとするためには、し尿処理の観点だけではなく、災害用トイレの管理・運営といった面も踏まえることが重要になりますので、引き続き関係部署や関係機関と連携していきます。