HOME > 自治体のトイレ対策例 > 「災害時こまらんトイレ!」のPR活動
神戸市【兵庫県】
阪神・淡路大震災時、断水によってトイレが使用できなくなったことや、道路交通寸断等により避難場所のくみ取り式仮設トイレの汚物収集が満足にできなかったことなど、不便・不衛生な状態が続いたことを踏まえ、指定避難所である小・中学校を中心に、水洗で衛生的に利用できる公共下水道接続型仮設トイレの整備を進めてきました。
平成18年度末時点で60箇所/300基の整備が完了しており、地域防災計画上の進捗率は100%となっています。
※現時点で2校が廃校となっており、全体で58箇所としています。
平成28年度には、公共下水道接続型仮設トイレを整備している学校の備蓄管理者(学校教頭)を対象に、全体調査を実施しています。その結果、以下のような問題点が挙がっています。
・備蓄管理者(学校教頭)が設備の設置箇所や、地上上屋パネル・便器の保管場所、使用方法を把握していない。
・設備の管理不足による破損・故障等が発生している。
・地元が訓練に参加していない、訓練項目に仮設トイレの組立てがない等により、市民も設置箇所、組立て方法を把握していない可能性が高い。
3.1.愛称の決定
市民に親しみを持ってもらい、効果的なPRを行うことを目的に、公共下水道接続型仮設トイレに愛称を付けました。
複数の候補に対し市民アンケートを実施し、その結果も踏まえ、「災害時こまらんトイレ!」(以下、「こまらんトイレ」という。)を愛称に決定しました。
3.2.動画の作成
こまらんトイレの概要を広く理解してもらうことを目的に、上屋組立動画を作成しました(図2)。詳細な組立方法の説明は別途利用マニュアルを作成することとし、あえて3分程度の短い動画としています。
なお、作成した利用マニュアル(上屋組立手順説明書)、組立動画は、本市HP上にPRサイトを作成し、当該サイト上に掲載しています。
<災害時こまらんトイレ!PRサイト>
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/waterworks/sewage/komarantoile.html
3.3.看板の作成・設置
平成28年度の全体調査の結果より、①学校教頭にこまらんトイレについての知識があまりない、②土砂に埋没しているなど、管理が悪いところを主な対象とし、図3のデザインをA3ラミネート加工した簡易的な看板を各こまらんトイレ整備箇所付近に設置しました。なお、平成29年度、1月19日現在で12箇所の設置が完了しています。
・平成29年度の取組みを引き続き実施し、看板の設置を進めていきます。また、地域の安全会議でのPR等を通じ、防災訓練においてこまらんトイレが取り上げられるよう活動を進めていくとともに、注水方法や汚物を流す際の手順などの使用方法を示した動画の作成も進めていきます。
・ラミネート加工した掲示物は長期的な掲示には不向きです。今回設置した看板がどの程度の期間掲示可能か状況を見ながら、恒久的な看板の設置に向けた検討を進めていきます。