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自治体の対策例

マンホールトイレ整備への取り組み

熊本市【熊本県】

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1.マンホールトイレの整備計画及び整備状況

本市では、「熊本市上下水道事業経営基本計画」に位置付けられている基本施策「災害に強い上下水道の確立」を実現する方策の一つとして策定した「マンホールトイレ整備計画」(平成24年度策定)に基づき、熊本市地域防災計画に避難所として位置付けられている中学校(下水道計画区域内の38校)を対象として、マンホールトイレの整備を行っています。(図‐1)
マンホールトイレ整備計画に基づき、平成26年度から市内中学校へのマンホールトイレの整備に着手しました。平成29年2月末現在で、13校への整備が完了しています。(図‐2)

  • 図‐1 熊本市のマンホールトイレ構造図‐1 熊本市のマンホールトイレ構造
  • 図‐2 マンホールトイレ整備状況図‐2 マンホールトイレ整備状況
2.熊本地震時のマンホールトイレ活用の避難所

熊本地震発災により、市内全域で最大267箇所の避難所を開設し、避難者数は最大で約11万人に膨らみました。(図‐3)
また、避難所では物資の供給が追いつかない、給水車が来ない、避難所以外のコミセンや地域公民館ではトイレ用水が確保できず、汚くて使えないといった事態が発生しました。
熊本地震発災直後は、市内全域で断水し、開設された多くの避難所でトイレ用水の供給が断たれました。そうした状況を受け、本震発災後には、上下水道局職員により熊本地震発生時までに整備された避難所である中学校4校にマンホールトイレ(全20基)を設置しました。(図‐4)

  • 図‐3 熊本地震時の全体避難者数・避難所数の推移図‐3 熊本地震時の全体避難者数・避難所数の推移
  • 図‐4 マンホールトイレ設置・撤去状況図‐4 マンホールトイレ設置・撤去状況
3.熊本地震時のマンホールトイレの活用状況

マンホールトイレ設置後は、トイレ用水としてプール水等を利用するため、ボランティアの方々や学校関係者の皆様のご協力をいただきました。また、上下水道局職員による定期的な点検、使用状況の把握に努め、マンホールトイレの運営にあたりました。
マンホールトイレの活用にあたり、避難所内のトイレは仮設トイレも含め和式トイレが多いのに対し、熊本市のマンホールトイレは便座が洋式で、仮設トイレと比べて段差が無いという意見もあり、利用者には好評でした。また、屋外に設置されていることから、靴の着脱が必要なく、車中泊避難者にも利用しやすい状況でした。(写真‐1)

  • 写真‐1 マンホールトイレの活用状況写真‐1 マンホールトイレの活用状況
4.マンホールトイレの普及啓発

熊本地震を経験し、災害時のトイレの備えの重要性について、多くの方々に情報発信するため、地方公共団体及びその関係者向けのフォーラムではマンホールトイレの活用事例を報告するとともに、地域住民向けのイベントではマンホールトイレの展示を行いました。(写真‐2・3)
今後も引き続き、熊本地震での経験を活かし、地震に備えたマンホールトイレの利用に向けた取り組みとして、地域行事やイベント等を通じ、情報発信を行うことで、地域住民に対し広くPRしていきます。

  • 写真‐2 活用事例報告状況写真‐2 活用事例報告状況
  • 写真‐3 イベント展示状況写真‐3 イベント展示状況

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