薬の使用は心配しなくてもいいの?
総合診療科科長 兼 消化器科科長
薬の使用を心配しなくてよい3つの理由
薬を使うことを心配しなくてもよい理由は3つあります。1つ目は、子どもの治療で使用する便をやわらかくする薬:緩下剤(酸化マグネシウム、モニラックなど)は習慣性がないので、使い続けても大丈夫です。
2つ目は、「薬を飲んでいると調子がよいけど、やめると悪くなる」というのは、便秘治療の期間が短いからで、つまり治っていないところでやめるからです。便秘治療は基本的に年単位で長く続ける必要があります。4歳頃まで便がやわらかい状態を続けて、全然苦痛なく出していれば、4歳になれば自分で出せるようになることが多いです。逆に、痛い思いを続けていると、4歳過ぎても便が出せない。そうなると、小学生になってからより大変になってしまうことも考えられます。大事なのは2~4歳の間の治療だと思っています。便秘のお子さんもご両親も、つらい思いをしていると思うので、治療をしっかりと、そして長く続けることへの理解が必要です。そうすれば必ずうんちは出せるようになるし、オムツも外れるようになります。
3つ目に、便秘を放っておくと、巨大結腸や遺糞症になって大変な思いをするから、下剤を飲んで治療したほうがよっぽどましです。小学生になってから便漏れがあると、子どもの自己評価が下がって、自尊心が傷ついてしまい、「自分はダメな子だ、いけない子だ」と思ってしまいますし、不登校につながります。やはりそうなる前に、幼児期に治療したほうがよいでしょう。
寝る前の食事は控えて、胃腸を休ませる
基本的に、夜寝ている間は胃も腸も休みます。そして、朝起きたときにスイッチが入ります。でも、寝る直前に食べると、胃腸は動かなくてはいけないので、つらいですよね。蠕動運動が休まらなかったりすると、安眠につながらないかもしれません。また、朝起きたときに胃腸の調子がよくなければ、朝ごはんがおいしく食べられなくなってしまいます。だから、寝る前にいっぱい食べるのはよくないと思います。
本来なら、寝る前に便が準備されて、寝ている間は胃腸はそのまま休んでいて、朝起きたらスイッチが入ると同時に、便意が起きるわけです。特に、ご飯を食べると胃結腸反射をするので、朝ごはんを食べて、胃腸が動き始めた後に便を出せるのが望ましいです。