衛生面に配慮した避難所等でのトイレそうじ方法
■PDF版■
トイレ清掃方法のまとめを作成しました。(本資料は、5月25日の東日本大震災トイレ事情報告会の資料の一部です)
PDF版のほうが読みやすくなっております。
【準備品】
【装備】接触感染・飛沫感染対策の徹底
マスク(サージカルマスク)
作業着(レインスーツでもよい)
ゴム手袋(二重で使用する際は、外側の手袋の裏地が布製がよい)
履物(室内トイレ用、屋外作業用 防水が好ましい)
泥落としマット
【衛生】
ウェットティシュ
手指消毒スプレー(二酸化塩素入りアルコール消毒剤等)
石鹸、ハンドソープ
うがい薬
【清掃用具】容器に中身と使用個所を表記
扉開放用具(ドアストッパー・土嚢など)
水(清掃用、消毒液希釈用)
バケツ(消毒水用、モップ洗い用)
噴霧用スプレー(消毒液充填)
キッチン用塩素系漂白剤(もしくは、次亜塩素酸タブレット)
ペーパータオル(新聞紙)
ビニール袋(ごみ袋用、清掃用具持ち運び用)
消臭・浄化促進剤(仮設トイレ投入用)
ホウキ・チリトリ
モップ(床水拭き用、床乾拭き用、壁面用)、
雑巾(多用途のため多めに用意)、
ブラシ(床用、便器用)
トイレ用塩素系洗剤(仮設トイレには中性洗剤)
クレンザー(もしくは、メラミンスポンジ)
【トイレ関連備品】
トイレットペーパー(ビニール包装が望ましい)
消臭剤(トイレ室内設置)
掲示物(トイレマナー等)
ペーパー分別ボックス/サニタリーボックス(段ボール製の場合は、
床面からの水を防ぐための防護策が必要)
消毒マット(室内との靴の境界)
備品置き台
掲示物(マナーアップ、エチケット、ルール、思いやり等について)
【そうじ手順】
原則:ホコリを立てない、清掃で感染源を広げない、自己で防衛する
各種装備品を着用する
自身の手指の傷などからの感染に注意
消毒水と清掃用水(水道水)を用意する
消毒水(次亜塩素酸ナトリウム約0.1%)は、きれいなバケツに、キッチン
用塩素系漂白剤を水1Lに対し、24mL(キャップ一杯)混ぜる)。一部は、
噴霧用スプレーに充填する(バケツやスプレーなどの使い分けが発生する
道具は、用途を表に書き、色や形を分けることで間違いを防ぐ)
ドア・窓を開放し、風通しをよくする
室内の備品を取り出し、大きな汚物等があれば、ペーパータオルや新聞紙等
で汚染面を広げないように拭きとる
仮設トイレは、便槽に消臭・浄化促進材を投入
水のない場合は、便蓋を棒などで押しあけて投入する
拭き掃除と掃き掃除
空間の高い所から順に、敷居、壁面などを消毒水で濡らした雑巾などで拭き
掃除をおこなう。(※消毒水が汚れると効力が落ちるため、すすぎは清掃用
水を使用する)
床面に土や砂がある場合、ほこりが立たないように注意をして掃き掃除をす
る。
濡らした雑巾・モップでトイレ全体の床を拭いた後、消毒水をスプレーで散
布する
仮設トイレの床の凹凸部分は、ブラシを使用
床が滑る恐れがある場合は、10 分程度放置した後、乾いた雑巾やロールペ
ーパーでカラ拭きする
個室内清掃
消毒水に浸して絞った雑巾およびスプレーで消毒水を散布しながら、汚れの小さい順に
タンク、壁面、フタ、便座、便器の外側の順で拭く
便器の内側を清掃する
上水道が復旧していない場合で、詰まり以外の原因で便器に流れていない汚物がある際
は、2〜3L の水をバケツで上から勢い良く流し込む。(特に和式)
室内の水洗トイレの場合、塩素系洗剤を便器の内側にかけ、数分後に水で流す
水アカがひどい場合などは、クレンザーまたはメラミンスポンジを使用
※仮設トイレの場合は、中性洗剤(便槽に投入した消臭剤が微生物系のものの場合、効
力を損なわないため塩素系のものは避ける)を使用して適度にこすり洗いをする
手で触れる部分を拭く
消毒水を散布しながら、これまでの手順で使用していない雑巾で、ドアノブ、手すり、
水洗レバー、ペーパーホルダーを拭き、手洗い周りは水アカを拭きとる
換気を十分に行う
道具の片付け
ゴミや清掃用具を持って移動する場合、衛生・安全のため、袋を二重にして管理する。
使用後の道具類で繰り返し使用する者は、分け洗いのうえ消毒する。(可能であれば温水
で10 分程度付け置く)
備品を設置・補充する
手袋をはずし(外側を内側になるように外す)、トイレットペーパー、消臭
剤、ペーパー分別ボックスを設置する(ルールが既に構築されている場合、
それに沿った運用ができるように配慮が必要)
掲示物は、使用時の目線に入るよう配置する。
作業着を脱ぐ
脱いだ作業儀は、保管用袋に入れる。
泥落としマット等で靴の泥を落とし、靴の裏に消毒液を吹きかける。
手洗い、手指の消毒、うがいを行う
石けんで手を洗う。(水がない場合は、ウエットタオルやアルコール消毒液
等を使用。また、指先、指の間、親指の周り、手首等は汚れが残りやすいの
で注意する)
うがいをする。(うがい薬を使用)
その他の対応策
汚染を広げないため、靴底消毒マット(泥落とし⇒消毒)を靴を脱ぐ前の場所に設置
その他、蓄光テープ、足元・室内明かりなどが配置できる場合は設置する。
使用者自身が汚してしまっても清掃できるための道具として、簡易な清掃用具配置
仮設トイレで、水が十分になく足元の清掃が難しい場所の場合、新聞紙を敷く
仮設トイレ床を水平にするためには、木片のクサビをトイレ底面に打ち込めると有効
移動用の車内を汚染させないため、別途泥落としマットや消毒マットがあるとよい