日本のトイレットペーパー事情

トイレットペーパー消費量について

経済産業省(通産省時代のものを含む)の統計をみると、日本ではトイレットペーパーの1人当たりの使用量は年々増加していることがわかります。その理由としては、必ずしも1人当りの使用量が増加しているとは言い切れません。なぜなら、この統計データは、生産量および出荷量に対して人口の割合で生み出した数字だからです。高層ビルや商業施設などの公共トイレが増設されていることが要因だと考えられます。10年くらい前までは、公共トイレに必ずしもトイレットペーパーを設置しているというわけではありませんでした。しかし、現在では、8割以上の公共トイレにトイレットペーパーがあらかじめ設置されています。そのため、出荷量は増加し、それを単純に人口で割っているので、1人当たりの使用量が数値的には増加しているのです。年間100万t以上生産し、若干輸入もあり、1人年間8kg以上も使用しています。しかしながら、少子高齢化による人口減少により、今後、トイレットペーパーの生産量は徐々に減少していくと同時に、使用量も減少していくと思われます。

トイレットペーパーをトイレに流せない理由

海外では、トイレットペーパーをトイレに流せない国があります。この原因としては、水量が少ない、パイプが細い、適切な処理ができない等が挙げられます。浄化槽になるべく流さないでほしいと頼んでいる所もあるくらいです。ギリシアでは、「紙を流さないでください」という看板がトイレの隣に標示されています。中国では、下水道整備率が20%程度なので、技術的に流せない場所も多いのだと考えられます。また、下水道が整備されているとはいえ、実際に処理して流しているかといえば、処理場の能力が十分ではないため、半分くらいしか処理できていないというのが実情です。

世界で最初のトイレットペーパー

昔のトイレットペーパー

6世紀に、中国で紙がトイレットペーパーとして使われた可能性があることを示す家訓が残っています。その家訓には、文字などを書いた紙を穢用(わいよう)したらダメだという趣旨が書いてあります。その中国では、木ベラやロープ、新聞紙などがトイレットペーパーの代わりに使われていたようです。拭きやすい紙に変わってきたのは、日本では、10~12世紀以降、中国では、6世紀にその記述はありますが、確かなのは1000年前くらいからです。ヨーロッパでは、10世紀頃に紙が伝わり、記述で残っているのは16世紀以降です。17世紀頃にイギリスで水洗トイレが開発されて、特許となったのが18世紀頃です。水洗トイレが初めて大衆向けに使われたのは、19世紀の第1回ロンドン万博の会場です。

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