大腸の病気と子どもの便秘(その3)

子どもの便秘対策

1.とにかく出す

便秘の対策は、とにかく溜めない!ということ。どんな方法でもいいから溜めないで出すことです。薬や浣腸に頼っていると依存してしまうのでは?と心配する人がいますが、それは薬などへ依存しているのではなくて便秘が慢性化しているために薬等をまだ必要としているということなのです。一回直腸が伸びてしまうと感覚が鈍くなり、大きな便でないと便意を感じなくなってしまい、1日分の便が溜まっても、もう便意を感じない、診察するとブカブカの直腸になってしまっているんです。直腸が元の大きさに戻るまで、薬や浣腸を使ってでも毎日お通じをすることが大事になります。ただし、薬や浣腸の使用には専門の方に相談することをおすすめします。便秘の期間が短かければ、直腸が弾力性を取り戻すのも早いです。便秘の期間に比例して回復までの時間がかかることを知り、一度便が出たからと言って安心せず、薬なしでも毎日きちんと便意を感じて出せるようになる習慣化が大切です。

2.恐怖感とストレスを減らす

排便行為への恐怖感を取り除くことも重要です。ストレス自体、腸蠕動に大きく関係してきます。腸は交感神経と副交感神経の連携で動くので、休日などリラックスしている時はよくなり、逆にお母さんが神経質だと子どもは便秘になりやすいです。よくストレスがかかると女性は便秘し、男性は下痢すると言われますが、子どもに関して言えば一概には言えません。男児のほうが恐怖感は強いし、遺伝的要素が出やすいので、男児も便秘になりやすいと言えます。

3.食事

水や野菜、玄米食など食生活も重要ですが、すでに直腸部分で詰まっている人は食事だけで改善できるとは言えません。まず直腸に便を溜めこまないようにすることを習慣づけた上で、食事療法もしていくととても効果的です。食事をすることによって大蠕動が起こるので、食事のあとにきちんと出してスッキリ!というのは基本です。最初は薬が必要だとしても、毎日便を出す習慣を身につけることで、薬は減らしていけるのです。

ともかく出そう、いつでも出そう

がまんしないでトイレに行こう

便は出していいんだ、出さないといけないんだ、ということを知ってほしいです。学校などでも子どもはおしっこより便を出すことへの恥ずかしさが強いようですが、便意を感じたらガマンせずにトイレに行くことが大切です。トイレに行きたいという便意や、いいバナナ便を出した時のスッキリ!という感覚を大事にして下さい。スッキリ!というということは直腸が空になった合図、つまり便意をきちんと感じることができる証明なのです。
病院でもうんち日記と同じような排便日誌をつけてもらっています。記録することはとても有意義で、記録することで食べるようになったり、便を観察できるようになったりします。食事は以前からいろいろ気にしていたが、便は気にしていなかったという人がほとんどです。基本的生活習慣として、毎日の排便も食事と同じように重要視してほしいですね。

【子どもたちへのメッセージ】

  1. うんちは毎日しようね!
  2. うんちがしたくなったらガマンしないでトイレに行こうね!

【保護者の方へのメッセージ】

  1. お子さんが2~3日に1度は便が出ているかチェックしましょう。5~6日以上だったら医療機関へ相談しましょう。
  2. 1日1回出ていても、便の状態が重要です。バナナ型の便ではなくてコロコロ便が続くのは好ましくありません。バナナ型の便、そしてスッキリ感!があるか、お子さんに確かめてください。
  3. 小学生以上で便失禁が持続してある場合は、排便外来・便秘外来や小児外科へ相談しましょう。

<中野先生のレポート(2)

中野美和子先生

中野美和子先生プロフィール

さいたま市立病院 小児外科部長
先天性の排便障害疾患の治療を永年にわたり続けている。その関連で、さいたま市立病院では3年前より、排便外来を開設し、先天性の疾患、先天性疾患で手術を受けた後の長期フォローだけではなく、一般のこどもの難治性便秘、便通異常、便失禁の治療も行っている。鎖肛の会顧問。

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