行動変容の方法と声の聴き方

ゲームをする理由と行動変容

以前、元ゲーム開発者がTV番組で「なぜ子どもたちがゲームに依存するかといえば、それは、親は褒めてくれないが、ゲームは褒めてくれるからである。例えば野球ゲームのなかでホームランを打つとみんなが喝采して、褒めてくれるのである。これがゲームの基本である。だから、ゲームに「はまる」という感覚は、褒めてもらうという喜びが基本なんだと」と言っていました。だから、何かの目標を達成したときに、「よくやったね」と褒めてあげることがいちばん大事だと思います。それはお金を与えるということではなく、心から喜んで認めてあげることが大事だと思います。親がゲームに勝てるほど褒めていないということです。ゲームにはまっている人は、注目されたいという気持ちがあると思うのですが、それをしてもらっていないということだと思います。
例えば、講演したからといって、聴衆の行動が変容するかといったら、それはゼロに等しいと思います。大学生に私が睡眠の講義をしたとしても、その半年間で大学生が早起き早寝になるかといえば、そんなことは全くありません。医師会がいろいろな講演会を開催して、その前後のデータを取ってみても、行動変容は全く起こっていないという現実があります。要するに、話を聞くだけでは何も変わらないのです。行動変容を起こすために重要なことは、同じテーマについて語り合う場を持つことだと思います。家族で情報共有を行うことによって、習慣として継続する可能性が高いし、行動変容も起こる可能性があります。したがって、褒めることと情報共有が大事なことだと思います。

自分自身について考えることの大切さ

「品行方正」が必ずしも良いというわけではなく、「自分の身体の声」を知っていることが大事で、それを知っているか知らないかで随分違うと思います。正しいことを言えばそれでいいのかというと、必ずしもそうではないと思います。「正論は劇薬」と思います。楽しくみんなで理解していくことが大事です。毎日いいうんちが出た方が良いというのはもちろんなことですが、食べすぎたり、下痢したりする事だってあります。そのうんちを見ることで、自分の身体の声を聴き取り、自分自身で気を付けていけばいいのではないでしょうか。人間は、頭で考えすぎている部分が多いため、生体時計に反する時間設定をたくさんしています。地球は大事だ、自然を守ろうということも良いことですが、いちばんの自然である人間の身体をまず大事にしなければならないと思います。

<神山先生のレポート(2)

神山 潤(こうやま じゅん)先生プロフィール

神山潤先生

東京ベイ・浦安市川医療センター センター長
睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。 旭川、ロサンゼルスでは睡眠の基礎的研究にも従事。 米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。日本睡眠学会理事、子どもの早起きをすすめる会発起人。
神山潤先生のオフィシャルWebサイト