トイレットトレーニングに向けて、どんな準備をするといいの?


岡田 和子先生(岡田小児科クリニック・院長)


●脚をクロスさせて立ちすくんでいる姿は便秘のサイン

 便秘の子は、硬い便を出す時に痛い思いをしたことがあると、便意が起きても排便をがまんしようとするため、脚をクロスしたり閉じたりする姿勢をとる場合が多くあります。脚を閉じようとするのは、肛門を閉めるためです。 肛門を閉めて排便をがまんしていると、そのうち便意は感じなくなりますが、便はさらに硬くなり出にくくなります。 こうなると、貯まって硬くなった便塊は、浣腸などで一度、全部除去しなければなりませんが、便をやわらかくする下剤を飲ませながら、便意を感じていると思ったら、迎え合わせで「開脚だっこ」をすると、はじめはとてもいやがりますが、時間をかけずに便は出やすくなります。 開脚だっこで排便してみて痛くないことがわかると、そのうち便座に座れるようにもなるわけです。
 便を薬でやわらかくしてあげて、出しても痛くないことをまず覚えさせなくちゃいけません。そこはちゃんとおうちの方が寄り添って、見ていてあげないといけないです。


●トイレットトレーニングには親の準備も必要

 トイレットトレーニングはだいたい、2歳半~3歳くらいに取りくむことが多いですが、便秘症がある場合は、一度やめるように言っています。トイレットトレーニングを始めたがゆえに緊張して、便秘になる子も結構います。 それは、やり方というよりは、その子の性格も関係するかもしれません。
 アメリカ小児科学会が出している「トイレットトレーニングの方法」の中に、「開始のチェック事項」というのがあって、子どもの発達段階のチェック項目と、保護者の準備のチェック項目に分かれています。(※表を参照) 子どもの項目をクリアできているなら、あとは親の準備です。まず、子どもとの信頼関係ができているかどうか、次に、性格を把握して、興味・意欲を誘導できるかどうか。でも、子どものことばかり考えて、親に余裕がない時に無理やりやってしまうとよくありません。 厳しくしつけようと思ってトイレットトレーニングをすると、子どもは「うんちをすると怒られる」と感じてトイレ拒否になります。さらに「うんちをしないほうが怒られない」と思ってしまい、便秘になりさらにひどいと便が漏れ出る遺糞症になってしまうこともあります。 だから、トイレットトレーニングは時間的に余裕がある時期にすることが大切です。そして、失敗しても叱らないで励まして、成功したら褒める心のゆとりが親には必要です。 1回成功したって、次は失敗したりするわけです。それが3回に1回の失敗になり、だんだんできるようになるのです。