うんち研究室 - えっ肥満にも関係あるの?

肥満をコントロールする腸内細菌

 2006年,科学総合誌「ネイチャー」(444巻1027-1031)で「肥満と腸内細菌」という大きなニュースがでました。「肥満に付随してみられる、エネルギー回収能力の高い腸内細菌」という論文が掲載されたのです。なんと無菌マウスに「遺伝性肥満マウスの腸内細菌」を移植・定着させると「標準体重マウスの腸内細菌」を定着させた場合よりも、総脂肪量がかなり増加するというのです。さらに,デブ型とヤセ型でも腸内細菌が異なり、デブ型の人にダイエットさせると、なんとヤセ型の腸内細菌に近づくというではありませんか。つまり、肥満をコントロールしている腸内細菌がいるというのです。 現在、これまで以上に、腸内細菌研究が現代医療のトップランナーになっており、「健康のヒケツは腸内細菌にあり」とさえ言われているのです。そして、世界の研究者は腸内細菌の機能研究を遺伝子解析によって、急速に取り組み始めているのです。

大腸は健康の基盤

 こうした解析の進展はプロバイオテイクスといわれる有用微生物の働きを解明する研究にも拍車をかけてきています。乳酸菌をはじめとする有用微生物の「整腸作用」からさまざまな有用機能が解明されつつあるのです。「大腸は病気の発信源」といわれ、いかに大腸の環境をコントロールするかが、健康維持・増進の根本になっています。

<肉だけを食べ続けた実験 べんとオナラ>

辨野義己先生プロフィール

独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長。 農学博士。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院を経て2004年から現職。35年以上にわたって腸内細菌学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。

おもな著書として、「ウンコミュニケーションBOOK」(ぱる出版)、「ヨーグルト生活で「腸キレイ」」(毎日新聞社) 「ビフィズス菌パワーで改善する花粉症」(講談社)、「べんのお便り」(幻冬舎)、「病気にならない生き方で、なる病気」(ブックマン社)などがある。