うんち研究室 - べんは病気のバロメーター

ウンチは健康のバロメーターです。そのウンチの状態をみれば、腸の状態がわかるのです。健康なウンチのお手本は、赤ちゃんのウンチです。その便にはビフィズス菌が90%近くあり、色は黄色くて水分も多く、臭いは酸性気味です。

あなたのウンチの量は?

 そこで、あなたのウンチのチェックをしてみてください。まず、あなたは毎日どれくらいのウンチをしていますか?
 「毎日、お通じはありますか」と聞かれたら、よほど便秘症でない限り、「あります」とは答えられます。しかし、ウンチで健康状態を知るには、量と質が問題なのです。毎日のウンチの量をチェックしなければ腸内の状態を把握できないのです。

 では、どのぐらいのウンチが目安になるのだろう。食物繊維を一日15グラムとっていれば、100から150グラムのウンチがでるといわれています。だから、私は、「300グラム以上でたら健康ですよ」と言うことにしているのです。ウンチ100グラムはバナナ一本分と覚えてください。

ウンチは「からだの便り」

 健康なウンチは、いきまず、無理せず、下腹に力を加えなくても、スト-ン、ストーンと出るものです。しかも、食後出る、朝起きてすぐとか、その人なりに、排便の時間が規則的であることです。これが、不規則で、夜中の二時、三時などというのは、からだによくありません。排便の習慣を身に着けて、自分のバイオリズムの中で一定の時間に出るのが理想です。

 そして、野菜や海草などのカサのあるものを食べて、その時に出たなという気持ちとどのぐらい出たかを意識して、自分の感じをつかむことが大切でしょう。食べるという三度のパターンのなかで、いつ自分が排便するかを知り、「からだの便り」を大量に出すつもりで、食べるものを考えてください。

生活状態で腸内環境は変わる

 このように食生活を変えることで、腸内の環境はかなり変化してきます。病気の予防の第1が食事だとすると、第2は運動です。運動と食事が合体してはじめて、病気の予防になるのです。

 私は、1日1万歩以上を歩き続けています。なぜ歩くことを含めた運動がなぜ大切かというと、腹筋や腹圧が鍛えられことです。いくらカサのあるものを食べたからと言っても、腹圧が弱ければ、腸が活発に動かず、貯めたものを押し出す力(排出力)がでないのです。

 アメリカの調査によると、運動が大腸がんの予防に対し、明らかな効果を上げているとの結果がでています。大腸内に残留物が残らないために、悪玉菌の増殖が抑えられ、これらによって作られたがんを誘発する物質や促進する物質が作られにくくなるためだと考えられます。

 食事だけでは、快腸生活は実現しません。運動とさらに、ストレスをためないライフスタイルも大切になります。

<べんは体の情報源 あなたの「腸」は何歳?>

辨野義己先生プロフィール

独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長。 農学博士。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院を経て2004年から現職。35年以上にわたって腸内細菌学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。

おもな著書として、「ウンコミュニケーションBOOK」(ぱる出版)、「ヨーグルト生活で「腸キレイ」」(毎日新聞社) 「ビフィズス菌パワーで改善する花粉症」(講談社)、「べんのお便り」(幻冬舎)、「病気にならない生き方で、なる病気」(ブックマン社)などがある。