トイレットペーパーの疑問と必要性

トイレットペーパーの規格

まず、シングルとダブルの大きな違いは、紙の厚さです。紙の厚さが同じならば、紙の長さは同じで、半分にすれば作れると思いますが、実際は、シングルの方が厚く作られています。重さにすると、シングルは1平方メートルあたり18g以上あると思いますが、ダブルは1平方メートルあたり16gくらいです。シングルとダブルを製造するにあたって、手間としてはダブルの方がかかります。製紙会社側からの視点で話しますと、シングルの方が作りやすいのです。しかしながら、シングルは、製造するための時間が長くかかってしまうというデメリットもあります。マシンから紙は1枚出て、厚ければ少し乾きが遅く、薄ければ早くなる理屈です。
日本ではJIS(日本工業)規格によって、トイレットペーパーの長さは決まっています。また、長さだけではなく、紙幅、芯の径(内径)、巻取りの径(外径)、溶けやすさが決まっています。水に入って100秒以内に溶けなければならないというのがJISの規格です。トイレットペーパーが水に吸い込まれていく時間が30秒くらいで、配管を通って下水道に行くのにバラバラになるようにということでその秒数が決まっているわけです。規格が決まっていないのは、「ミシン目の間隔(長さ)」で15cmや30cmなどいろいろあって全部で5~6種類あります。しかし、現在販売されているトイレットロールには、ほとんどJISマークはありませんが、JIS規格にのっとって生産されています。

トイレットペーパーのJIS規格

トイレットペーパーの色

トイレットペーパーの色は、現代の日本では白いものや柄物が多く出回っておりますが、海外に行くと古紙をそのまま使用した黒っぽいものもあります。日本でも古紙を使用していますが、海外のように黒いものは、めったに見かけません。例えば、パルプのみだと真っ白なものが出来上がります。これを白度100%とすると、古紙を含めたペーパーは70%くらいのものがほとんどです。薬品処理しているから白いのです。
製品としては、白いものが良いとされていますが、実は白くしすぎると、大量の薬品を使用するために、排水汚染を生じる場合があるという問題があります。最近は薬品を使用しないで処理した製品も出てきています。

読者へのメッセージ

全世界でトイレットペーパー生産量は2600万トンくらいだといわれています。これを世界の人口65億人の1人当たりの使用量として考えると、年間1人4kgになり、人口の半分位の人が使っていると思われます。そして、たった約11g/日です。いかに使用できていない人が多いかということがわかります。
日本人は、トイレットペーパーを物心がついたときから当たり前のように使っているものだと思います。そのため、あまり意識して使っている人もいないと思いますが、トイレットペーパーは生活する上で欠かせないものです。また、トイレットペーパーがなくても生活できるものだと考えることもあるかもしれませんが、利用価値の高いものであることを認識していただきたいと思います。
歯が丈夫で、食物をよく噛み、腸で吸収してカスを排泄できれば肛門が汚れないはずですが、そうは行きません。そこにトイレットペーパーの存在価値が出てきます。紙がなかった古代には自然の物を利用したのは自明ですが、現在紙がなかったらどうするのか考えてみてください。

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