小脳の発達に関わる様々な事柄

今回は、感性研究の第一人者、黒川伊保子さんにインタビューいたしました。しあわせ脳に育てるにはどうしたらよいか、また排泄との関係はどうかなど、興味深いお話が山盛りです。3回に分けて、お届けします。

子どもの脳の成長と排泄の関わり

うちの子は、絶対に朝ごはんを食べる子で、朝ごはんを食べたら、うんちが出ます。また、うんちが出にくいときは、我が家では、うんちを出すためには、遅刻してもいいことになっています。こんなことを言うと、学校の先生に怒られるかもしれませんが、そのくらい朝ごはんとうんちは重要だと思います。また、ごはんをいただいてから、うんちをするまで30分くらいの間、「かばんの中を確かめたの?」「教材揃ってるの?」「体育着持ったの?」などと、子どもを急かせることも絶対しません。もともと、私が嫁いできたときから、黒川家の家訓は「遅刻よりも朝ごはんとトイレが大事」でした。脳を落ち着かせるためにもその方がいいのです。きちんと調べたわけではありませんが、自律神経をきちんと働かせる大きなポイントは、朝ごはんをゆっくり食べて、排泄をゆったりすることが必要だと思います。自律神経のバランスは情緒の安定をもたらし、集中力やタフさ、ひいては理解力を作るために必要不可欠なこと。勉強はいくらでも挽回できるし、知識はいくらでも上書きできますが、安定した情緒は脳の力の基礎ですから、そこをないがしろにしたくはありません。それに、遅刻も忘れものも、母親が朝から口やかましく言わなくても、子どもは自分で自然に気をつけるものですよ。朝のゆったり時間を奪うから、注意力が散漫になって、うんちも出ないし忘れものもする、という悪循環になっているのかもしれません。

小脳の発達

小脳は、生涯にわたって、空間認識と運動制御にかかわる大事な器官。二足歩行やことばの発音などの微細な筋肉の総合運動は、小脳が担当しています。もちろん、スポーツをするのにも不可欠な器官ですが、小脳の空間認識力は、理系の能力(数学や物理学)や、芸術の才能(音楽や美術)にも深くかかわっています。小脳の発達臨界期は、8歳と言われています。つまり、8歳までに小脳の基礎能力がほぼ決まってしまうため、小脳発達にとって必要なことをやっておかなければならないのです。小脳の発達を助けるのは、生活体験と外遊び。ナイフを使ったり、紐を結んだり、穴を掘ったり、スキップしたり、でんぐり返しをしたり、木登りをしたり。高低差のある場所で、年齢の違う子同士が群れて遊ぶと、身体経験がより豊かになります。8歳までは、とにかく遊ぶことが英才教育。最近では、8歳までの外遊びが、後の理系の成績にかかわってきていることもわかってきていますから、「うちの子は、学力で勝負」という方にも、運動は大事なんです。

男の子と父親の関わりの必要性

男の子の場合、小脳発達期の4歳~8歳は、ぜひ父親が関わってあげてほしいものです。お父様がいらっしゃらなければ、おじい様でも、おじ様でも、近所の方でも。男の子を育てる場合、さまざまな所作を、男の人が見せてあげる方が良いのです。男性と女性では脳の働きが違いますので、所作も微妙に違います。器用な母親ならプラモデルを作ることができると思います。でも、空間認識の方式が男性と女性では違いますので、設計図に対する物のアプローチの仕方や手の添え方などが実は違っていたりするんです。男の子は、母親が作っているプラモデルを見ているときは自分の身体性になぞらえることができないことがあり、そうなると出来ているのを見るだけです。しかし、父親が作っているのを見るときは、様々な所作が脳の学習になります。もちろん、母親の所作を自分の所作に焼きなおすことで、脳の発達を促すこともありますから、それもけっして無駄ではありませんが、父親の登場も意識して行ってほしいのです。父親がキャンプに行ってカレーを作るというように、父親が何かを行って見せたり。だから、息子が4歳~8歳の間の父親の責任は大きいと思います。

黒川先生のレポート(2)>

黒川 伊保子(くろかわ いほこ)先生プロフィール

黒川伊保子先生

株式会社 感性リサーチ 代表取締役
脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。感性研究の第一人者。 脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著作で人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」、NHK教育テレビ「日本語なるほど塾」などに出演。さらに、語感分析法を応用した、名前の恋力を占う携帯コンテンツ「恋音」を運営中など、幅広く活躍中。著書に「しあわせ脳に育てよう」(講談社)、「名前力~名前の語感を科学する~」(イーステージ新書)などがある。
黒川先生のオフィシャルWebサイト
株式会社感性リサーチHP