睡眠と生活習慣の改善

自分に合った生活習慣の改善と体調管理

昼間起きていられる生活をおくっている人の場合に当てはまることだと思いますが、自分の睡眠が十分かどうかを判断するひとつの目安としては、午前10時~正午の間に眠くならないかどうかということが挙げられます。いまの子どもたちは、「自分の身体の声を聴く」というように自分自身について考えるという習慣がありません。「先生に聞いたから」「インターネットに書いてあるから」等、その情報だけで判断することは、少し違うだろうと感じています。このようなことは大人にも言えます。メタボリック症候群を例に挙げると、ウェスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上であれば要注意であるといわれています。84.9cmは良くて、85.1cmは悪いなんていうことはありえないでしょう。腹囲が100cmだって長生きする人はいるわけですし、腹囲が82cmだったら、必ず長生きするというようなことでもありません。その人その人に合った腹囲があるということを全く無視して、基準を出すということは、適切ではありません。したがって、そういう場合も自分の身体の声を聴いて、腹囲が88cmでも自分の身体の調子が良ければ、「自分には腹囲88cmが合ってるんだ」と認識すればよいと思います。それが「自分の身体の声を聴く」という考え方です。「自分の身体の声を聴く」のは簡単ではないと思いますが、例えば、自分のうんちの形を見たり、毎日同じ時間にうんちが出るかということを知ることなども自分の身体の声を聴く手がかりとなるはずです。
また、健康教育として、風邪を引いて発熱したら、病院に行くのではなく、熱が出たら家で寝てるということを教えなければいけないと思います。37度6分になったから、病院に行くのではなくて、36度でも気持ちが悪かったら病院に行かなければならないわけですよね。そういうことを教えていないことが問題だと思います。自分の体調が良いとき悪いときはどのような状態であるというようなことを教える保健教育が、大事だと思います。いつでも親や医者が指摘してくれるというふうに考えずに、自分自身が自分の身体のことをよく知って、「自分の身体のことは自分が一番分かっている」という認識を持つことが大事だと思います。

睡眠と生活習慣

快適な睡眠時間が確保された場合、排泄にとって良い効果をもたらすといえるかというと、それは自律神経系の働きが十分になされているかどうかということです。自律神経系がきちんとそれぞれの役割を果たしているならば、睡眠、食欲、便通にも効果があると思います。
睡眠時間の調査によると睡眠時間には季節変動があるということがわかっています。夏の方が冬よりも起床時間は早く、就寝時間は遅いです。
また、1時間の時差ボケを元に戻すには、1週間から10日間程度かかるといわれています。サマータイムをやっている国では、元に戻すのに3週間はかかるというデータもあります。また最近ですが、ある時刻に食事をした、ということは脳に2日ほど記憶されていることがわかってきました。腹時計の脳内機構が解明されたわけです。このことからすると、海外旅行等に行く場合の時差ボケ対策として、2,3日前から渡航先の時間に合わせて、食事を摂ることが有効かもしれません。

<神山先生のレポート(1) 神山先生のレポート(3)>

神山 潤(こうやま じゅん)先生プロフィール

神山潤先生

東京ベイ・浦安市川医療センター センター長
睡眠、特にレム睡眠を脳機能評価手段の一つとして捉える臨床的な試みに長年取り組む。 旭川、ロサンゼルスでは睡眠の基礎的研究にも従事。 米国から帰国後、日本の子どもたちの睡眠事情の実態(遅寝遅起き)に衝撃を受け、社会的啓発活動を開始している。日本睡眠学会理事、子どもの早起きをすすめる会発起人。
神山潤先生のオフィシャルWebサイト