食育を実施する要因と躾の大切さ

服部幸應先生

今回は、TV等でもおなじみの服部栄養専門学校 服部幸應先生にお話を伺いました。3回に分けて、食育に関する大切さから、食への考え方について、非常に興味深い内容のお話を掲載します。





食育に興味を持ったきっかけ

今年度から、「食育」が学習指導要領で明記され、やっと本格的に学校教育として認められたと思っています。今は、「食育推進会議」では食育大臣や13閣僚と行っています。食育を政府に提案した理由は、従来の教育の三本柱である「知育・徳育・体育」では、十分に機能しきれていないと感じたからです。
食育を政府に提案したのは10年前ですが、活動は17年前から行っていました。それは、22年前に本校の新入生に「1週間の食事日記」の宿題を出したことが始まりです。食のプロになるために栄養士科に入学してきた学生の生活習慣が乱れていて、朝食を抜いたり、ダイエットをしたりするなどバランスの悪い食生活をおくっていました。「君たちは食のプロになるのに、こんな生活習慣していたらダメだよ。しっかり2年間、うちの学校で勉強して正しなさい」と教え、卒業前に、再度「1週間の食事日記」を提出させたところ、6%しか改善していませんでした。そこで、当校の教員を呼んで「こんなことでは卒業させられない」と問いただしたところ、試験では合格点をとっているということを提示されました。要するに、教えることにより、理論ではわかっているようですが、習慣化された生活はなかなか変えらないということだと思います。

家庭で行うべき躾

「食育推進基本計画」と現状の目標

平成19年に発生した凶悪犯罪は9,051件ですが、殺人未遂などについては約20件にもなります。しかもこれは20年前の44倍です。食卓できちんとした躾がなされていないことや家族との関わりの希薄性とも関連性があると考えています。
躾は、家庭で行うことが重要です。家庭で「姿勢が悪い」「箸の持ち方が違う」「ニンジン残さず食べなさい」というふうに、家族が子どもに躾として注意して育てることが重要です。そうすると、人前に出ても恥ずかしくないくらいの一般常識ができます。0歳~3歳は、家族、親子のスキンシップが大事です。「三つ子の魂百まで」というように、3歳くらいまでに親子関係を築かないといけません。そして、3歳~8歳の6年間は、一緒に食卓を囲むことが大切です。昔は、家族で食事をすることが年間800食くらいありましたが、今では300食くらいに減少している家庭がほとんどです。つまり、昔は、800食×6年=4800食、今は、300食×6年=1800食というように、6年間で3000回、子どもを見る時間が減少しているわけです。そうすると、子どもはすくすく育つのではなく、好き勝手に育ってしまいます。このように育てられた子どもは人から注意されても反発する傾向が高くなってしまいます。わがままで、どんなことでも平気でするような子に育ってしまうのです。だから、健康のために一緒に食べるのと同時に、躾をするために一緒に過ごすことが大事だと思います。

服部先生のレポート(2)>

服部 幸應(はっとり ゆきお)先生プロフィール

服部幸應先生

服部学園理事長兼服部栄養専門学校校長
フジTV「料理の鉄人」・「SMAPXSMAP」・「メントレG」・「Viva Viva V6」・「バニラ気分!」、TV東京「TVチャンピオン」、NHK「食彩浪漫」・「生活ほっとモーニング」・「金曜アクセスライン」、TBSTV「はなまるマーケット」、TV朝日「愛のエプロン」、NACK5(FM)「服部幸應のウェル・テイスト」、NHKラジオ「いきいきクラブ」、TBSラジオ「全国こども電話相談室」等に出演・企画・監修他、多数団体の理事、講師等を勤める。
詳細プロフィール
服部栄養専門学校のWebサイト